妙案拝見!NPO法人「やまぼうし」見学会 ②

連載第2回

②前回は遊休農地を障がい者が耕作し、きれいな水の流れる貴重な用水を保全している現場についての話でしたが、障がい者が地域のために力を尽くしている現場はまだまだあります! 日野市倉沢地区へとバスは進みます。緑が多く残り、カブトやクワガタがたくさんいそうな里山です。日野市はここ倉沢の里山の保全を進めており、日野市と「やまぼうし」は「里山保全パートナーシップ協定」を締結しました。障がい者が中心となって国産大豆、有機野菜などを耕作し、里山の手入れをしています。「風の丘」と名づけられたこの現場にはさわやかな風が吹き抜けていました。

次は八王子市堀之内地区へ。こんな所に牛?と意外に思いましたが乳牛を飼育している鈴木牧場を訪れました。さて、ここでの「やまぼうし」の活動は・・・牛糞を利用した「生ゴミ堆肥化事業」!一般家庭から生ゴミを回収し牛糞と混ぜて堆肥を作り、「やまぼうし」で耕作している農地で肥料に使用したり、農家へ販売しています。
日野市のH18度「エコミュニティ事業」の中核的事業にも位置づけられています。
家庭ではバケツに生ゴミを入れ、「堆肥化促進剤」(土のような物)をパラパラとふりかけ混ぜるだけ。定期的に「やまぼうし」で回収されますのでゴミ回収がもう一種類増えるだけ、と手軽です。家庭独自で堆肥化する場合は堆肥になるまでの期間(2週間位)の臭いも気になるし、液肥(生ゴミ堆肥化の際出る液体)を抜いたりする手間もかかる上、出来上がった堆肥を使い切るか?と考えると二の足を踏んでしまいますが、これなら大丈夫です。
毎日出される膨大な生ゴミの処理に自治体も頭を悩ませています。年間数億円(?)もの費用をかけ、水分の多いゴミを燃焼させるために多量の燃料を使って地球資源を消費し、焼却灰、ダイオキシン、Co2問題などを引き起こし、住民とのトラブルも多くなっています。
これらを解決する「やまぼうし」の生ゴミ堆肥化のような事業は推進が期待されます。市のゴミ予算の一部をこの事業の支援に回して貰えれば実は障がい者支援政策にもなる、というこのアイデア、いかがですか?