もし、私たちが、そのような“役割とマニュアルのみが重視された社会” を目指すのであれば、「そんな形式的な社会を生きるのイヤだ」と逃避する若者がいたとしてもそれを責めることはできない、なぜならば、実のないものに参加したくないと考えるのは合理的であるから、と宮台さんは言います。
一方、私たち、生活者ネットワークは、これまで、「自分らしく主体的に暮らしていけるしくみをつくること」「地域の中で顔の見える関係性を築いていくこと」を大事にしてきました。相互に管理・監視しあう社会ではなく、信頼感をベースにして地域の中で見守り・支え合いができるコミュニティの形成を目指し、活動を続けていますが、宮台さんもまさに、そのような昔ながらのコミュニティを再生することが、若者たちを虚無におとしいれている社会状況を変えていく大きな力になるということを指摘されていて、大いに勇気づけられました。
高瀬かおる(代表)